LGBT+に寛容な国、デンマークのプライドパレード

皆さんは、”プライドパレード”がどのようなものかご存じですか?
プライドパレードとは、LGBT+(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)への差別や偏見に対し、権利や自由を主張し多様性を祝う世界的なパレードです。
日本では、「東京レインボープライド」という愛称で毎年開催されていますが、1970年にニューヨークで始まって以来、世界各国でプライドパレードが行われています。
(東京レインボープライド https://tokyorainbowpride.org/

2023年4月に東京で開催された”東京レインボープライド”には、約1万人が参加したそうですが、昨年コペンハーゲンで行われた”Copenhagen Pride(コペンハーゲン・プライド)”にはそれをはるかに超える約3万人が参加しています。
東京の人口密度がコペンハーゲンの2倍であることを考えると、人口の少ないコペンハーゲンで東京の3倍も人が集まることは驚くべきことです!

今や、世界の様々な国で同性婚が認められたり、カミングアウトする人も増えてきていますが、デンマークは世界で先陣を切ってLGBT+を受け入れてきた国です。そのアクションの一つが、世界で初めてのシビル・ユニオン(登録パートナーシップ制度)の導入。こちらは、同性間の関係を法的に認めるもので、導入されたのは1989年のことでした。

では、このLGBT+フレンドリーな国デンマークのプライドパレードは、どのような雰囲気なのでしょうか!?

このような大きなトラックが30台ほど用意され、市内の一部の道路を封鎖してパレードが4時間ほど続きます。
トラックに乗らない人も虹色の旗を手に持ち、トラックに手を振ったり、演出を楽しみます♪

今年はなんと、世界で初めてプライドパレードに使われるトラックがすべて電気自動車に切り替わりました!さすがはデンマーク、ここでも徹底したサステナブルな取り組みが行われています。

パレード自体は1日のみですが、パレード前後の約1週間は”Copenhagen Pride Week(コペンハーゲン プライドウィーク)”とされ、町のあらゆるところに虹色の装飾が施されます。さらに、いくつかのイベント会場も設置され、様々なワークショップや討論会などが行われます。

※写真:デンマーク王立劇場(デンマーク最古の劇場。バレエ団の公演を見ることができる。)

スーパーやコンビニなど、どこにでも売られているグッズがブレスレット。店前には大きな看板、そしてレジ横にはこのブレスレットが必ず置いてあり、とにかく宣伝効果がすごい!
ブレスレットの売上金は、デンマーク国内の他都市のプライドパレード運営金になるほか、未だ反LGBT+派の多いガーナでの活動資金として寄付されます。

(Copenhagen Pride 公式サイト https://www.copenhagenpride.dk/en/

プライドウィークの間は、町中の広告もプライドパレードを意識したものが増えてくるのですが、中でもかなりインパクトが大きかったものがセブンイレブンの広告

セブンイレブンの広告のテーマは、”Let’s change the fact that…この現実を変えよう)”で、欧州基本権機関などの調査に基づいたデータを用い、セブンイレブンの11とかけて「11分の●●が△△な状況だ」というメッセージを発しています。

例えばこちらの広告は「10 out of ELEVEN(11分の10)の学生が、学校で同性愛やトランスジェンダーについて差別的な発言を受けた」ということを示しています。紹介したものとは別のバージョンも複数ありますので、是非こちらからご覧ください。(心打たれるショートムービーも公開されています。)
※Circle Creative ウェブサイト https://creativecircle.dk/arbejder/7-out-of-eleven-2/

日本よりも職場でのカミングアウト率が高く、寛容な国であると言われているデンマーク。それでもまだ、差別的な目で見られる環境がゼロになったわけではありません。

人はみんな違って当たり前。すべての人が尊重され、自分に悩まず生きていける社会になってほしいと改めて願った一日でした。

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