人にやさしい街へ、進化を続けるアンデルセンの故郷

人魚姫、マッチ売りの少女、はだかの王様、みにくいアヒルの子…誰もが一度は読んだことがあるだろう『アンデルセン童話』。
実は、アンデルセンはデンマークの出身で、1805年、現在ではデンマーク第3の都市である”Odense(オーデンセ)”に生まれました。
※日本が代表する小説家、森鴎外や夏目漱石が生まれる60年ほど前のことです。

Odense(オーデンセ)は首都のコペンハーゲンから電車で約1時間半と、新幹線で東京から名古屋に行くのと同じような感覚です。

デンマークのお土産ショップに行けば、必ずアンデルセン童話をモチーフにした小物が売られているほど、200年近くアンデルセンとその作品は世界で愛されています。

さて、このOdense(オーデンセ)という街、デンマークの中でも歴史のある街なのですが、電車を降りたときの第一印象は”交通の整備された美しい未来都市”というものでした。

街の主な交通手段は、LRTと言われる次世代型の路面電車。次世代型の路面電車って何?まずは、写真をご覧ください。

オーデンセを走る次世代型の路面電車

LRTはLight Rail Transitの略で、”ライトレール”と言われています。一度に乗れる乗客数やスピードは、電車とバスの中間くらい。1978年にカナダで開通して以来、ヨーロッパを中心に広がりを見せており、Odense(オーデンセ)のLRTは2022年に完成したばかり。現在、コペンハーゲンでも、2025年完成を見込んでLRTの専用道路を建設中です。

主な特徴は2つ。

①環境負荷の低減
自家用車やバスに比べ沢山の乗客を乗せられるため、個人がLRTを移動手段として選択することで、CO2排出の削減につながる。
(ちなみに、コペンハーゲンに開通予定のLRTは路線バスの4倍ほどの乗客を乗せられるのだとか。)
また、LRTは電気モーターで駆動するため、騒音や排ガスが少なくなる。

②バリアフリー
乗り降りの際の段差が少なく、車いすやベビーカーの場合も利用しやすい。最新のLRTは、床の高さが地面から30㎝ほど。

実際に、LRTが走っていても騒音が少なくて街は静か。大がかりな駅や線路を作る必要がないため、オーデンセの景観も守られています。デンマークは片道13kmであれば電車でもバスでもなく、自転車を使うというほどの自転車大国なので、専用車両には追加料金なしで自転車も持ち込み可能です。日本では、電車やバスに自転車を持ち込む光景はほとんど見られないですよね。

日本でも、国土交通省が国内のLRT導入支援をしており、今月26日には宇都宮で開業するそうです!
https://u-movenext.net/ (芳賀・宇都宮LRT 公式ホームページ)

最後に、オーデンセに行くほとんどの観光客のお目当てである”アンデルセン博物館”の写真を一枚。日本の建築家、隈研吾さんの設計でリニューアルされた木のぬくもりを感じるミュージアムです。

アンデルセン博物館

昔ながらのかわいらしい北欧の家が立ち並ぶ通りもありながら、進化を続けるオーデンセ。
デンマークに来て時間がある方は、是非訪れてみてはいかがでしょう♪

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